人の性格(パーソナリティ)特性を形容するのに、例えば「冷たい」とか「やさしい」という語が使われます。そして、普通はこの「やさしい」などの言葉が表す人物像についての素朴なイメージが存在します。これら「冷たい」とか「やさしい」といった言葉が表す性格特性は、個人の経験に由来する信念によって形成されており、この信念によってさまざまな対人認知が行われています。これらの信念を、暗黙のパーソナリティ(性格)観と呼びます。
そして、ある人物について一つの性格特性が当てはまると判断すると、暗黙のパーソナリティ観によって、関連する他の性格特性についても当てはまると認知してしまうことがあります。例えばある人物について、「親切である」という性格特性が浮かび上がると、「あたたかい」など別の性格特性も浮かび上がります。
また、暗黙のパーソナリティ観に由来する多くのステレオタイプが存在します。