ホーム | お問合せ

期待効果

私たちは、ある人物の血液型がO型であるということから、「ああ、本当に大らかな人だ」とか、A型であれば「確かに几帳面なところがあるな」とかいうふうに思い込みがちです(実際はそうでなくても)。このように、ある人物についての事前情報がその人の認知をゆがめてしまうことを、期待効果といいます。

ダーリーとグロス(Darley&Gross)の実験を紹介します。
実験参加者は小学四年生の女の子の様子のビデオを見せられます。まず、Aグループの人たちはその女の子が裕福な家庭であるという内容を見せられ、Bグループの人たちはその女の子が貧しい家庭環境にいるという内容を見せられます。その後、AグループBグループともに女の子が先生から出題された問題に答えるビデオを見せられます。このビデオでは問題に正解したり間違えたりしていて、その様子からだけでは女の子の学力が判断できないようになっています。

ビデオを見たあと、AグループとBグループの参加者は女の子の学力を判断します。この結果は、Aグループ(女の子の家庭が裕福だと思っている)のほうがBグループ(女の子の家庭が貧しいと思っている)よりも学力を高く評価しました。

この実験から、事前に与えられた情報によって期待の内容が異なるため、学力の判断が異なったと考えることができます。

私たちは、年齢、職業、性別、人種などのカテゴリーを持っていますが、このカテゴリーには固有のイメージが存在します。例えば、男はたくましく、女はしとやかであるとか、日本人は真面目であるとかです。このイメージをステレオタイプといいます。


ホーム | ブログ