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自己不一致理論(self-discrepancy theory)

本当は楽しい話をしようと思っていたのに、いざ集まって話をしようとするとなかなかうまく話せないなんてことは経験があると思います。私たちは「理想の自分像」「あるべき自分像」のイメージを持っており、そのイメージと「現実の自分」の間にずれがあると不快感を生じます。今の例で言えば、「誰とでも楽しく話せる自分」が「理想の自分」であり、「うまく話せない自分」が「現実の自分」で、その二つが一致しないためにふがいなさを感じるのです。これが自己不一致理論です。

自己不一致理論は、自己の内容を「現実自己」「理想自己」「あるべき自己」に分類し、それらの間に葛藤が生じることによって不快な感情が生まれると考えます。

不一致が生ずるのは次の二つの場合であり、それぞれ、 現実自己理想自己の間に不一致(思い通りにいかないとき) … 不満・悲しみ・憂鬱などの感情
現実自己あるべき自己の間に不一致(あるべき姿でないとき) … 罪悪感・不安・心配などの感情
を引き起こします。

例えば、定期テストが一週間後に控えているのに全然勉強をしていないという状況では、現実自己あるべき自己の間に不一致があるといえます。このとき、「このまま勉強しないでも大丈夫だろうか」という不安や心配が生じます。


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